日記やら二次創作やら、つれづれと。
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(ボカロカイト連載 ER)
夏。
一つの有意義な空間。
夏。
一つの有意義な空間。
夏:3時のあるべき情景
カン、カン、
硬い足音がひとつ。アパートの階段をのぼる俺の足音は軽い。
今年は冷夏だ。常時涼しいこの階段と、外気温がまったく変わりない。空は、今が何月だと思っているのだろう。…暑いのが苦手な俺にとっては嬉しいかぎりだが。
何せ、徒歩五分のスーパーからアパートまでの道のりで、アイスが溶ける心配をしないで済む。
…階段をのぼり終わり、一枚のドアの前で立ち止まる。
重いスーパーの袋を左手に持ち直し、右手で鍵を開けた。
ドアを開ければ、涼しい風が頬を撫でる。
靴を脱ぎ、短い廊下を進むにつれて、聞こえてくるテレビの音。
茶の間へのドアを開ければ、青い髪とマフラーの男が、テレビを食い入るように見ていた。テレビはどうやらアニメのようで、男の周りには、俺の覚えのないアニメのDVDが山積している。
またか。
呆れた視線を向ければ、男はようやく俺に気付き、振り返った。
「お帰りなさい、マスター!」
笑顔で男―――何者かの陰謀で家に居候することになった、カイトがいる。本当はただのパソコンソフトで、今は具現化しているだのなんだの言っていたが、俺にはよくわからないのでそのまま放置している。
「アイトセイギトショクヨクノナノモトニ、オレハアクヲユルサナイ! じゃすてぃすあたーっく!」
何言ってんだコイツ。
俺は一層呆れの色を濃くしながら一人興奮しているカイトを一瞥し、しかしカイトはまったく気にすることなく俺に近づいてきた。
…正確には、俺の持っているスーパーの袋に興味を示して寄ってきただけだが。
俺は袋をテーブルに置き、カイトは中をのぞきこむ。
「!」
声にならないらしい。
俺が買ってきたのは、レディーボーデンの1500ml。家族用、というやつだ。
「ま、ます、」
あからさまによだれをたらし、こちらを見つめるカイト。
俺はスプーンを取りだし、一言。
「お前はこっち」
視線を袋の中に向け、 レディーボーデンを取り出すと、俺はテレビの前に座った。
「…え?」
カイトの間の抜けた声。
「マス、タ、……これ、粉ご…な……」
無視。
DVDデッキを止め、整然と並べられたケースの中からDVDを抜き、アニメのものと交換する。
そういえば、コイツの下敷きにしたな、とカイト用に買ってきたガリガリくんを思い出す。
が、DVDはもう再生されてしまった。俺はレディーボーデンのフタを開け、そのままスプーンを突き刺した。
めくるめく、静かなるドンの時間が始まる。
終。
カン、カン、
硬い足音がひとつ。アパートの階段をのぼる俺の足音は軽い。
今年は冷夏だ。常時涼しいこの階段と、外気温がまったく変わりない。空は、今が何月だと思っているのだろう。…暑いのが苦手な俺にとっては嬉しいかぎりだが。
何せ、徒歩五分のスーパーからアパートまでの道のりで、アイスが溶ける心配をしないで済む。
…階段をのぼり終わり、一枚のドアの前で立ち止まる。
重いスーパーの袋を左手に持ち直し、右手で鍵を開けた。
ドアを開ければ、涼しい風が頬を撫でる。
靴を脱ぎ、短い廊下を進むにつれて、聞こえてくるテレビの音。
茶の間へのドアを開ければ、青い髪とマフラーの男が、テレビを食い入るように見ていた。テレビはどうやらアニメのようで、男の周りには、俺の覚えのないアニメのDVDが山積している。
またか。
呆れた視線を向ければ、男はようやく俺に気付き、振り返った。
「お帰りなさい、マスター!」
笑顔で男―――何者かの陰謀で家に居候することになった、カイトがいる。本当はただのパソコンソフトで、今は具現化しているだのなんだの言っていたが、俺にはよくわからないのでそのまま放置している。
「アイトセイギトショクヨクノナノモトニ、オレハアクヲユルサナイ! じゃすてぃすあたーっく!」
何言ってんだコイツ。
俺は一層呆れの色を濃くしながら一人興奮しているカイトを一瞥し、しかしカイトはまったく気にすることなく俺に近づいてきた。
…正確には、俺の持っているスーパーの袋に興味を示して寄ってきただけだが。
俺は袋をテーブルに置き、カイトは中をのぞきこむ。
「!」
声にならないらしい。
俺が買ってきたのは、レディーボーデンの1500ml。家族用、というやつだ。
「ま、ます、」
あからさまによだれをたらし、こちらを見つめるカイト。
俺はスプーンを取りだし、一言。
「お前はこっち」
視線を袋の中に向け、 レディーボーデンを取り出すと、俺はテレビの前に座った。
「…え?」
カイトの間の抜けた声。
「マス、タ、……これ、粉ご…な……」
無視。
DVDデッキを止め、整然と並べられたケースの中からDVDを抜き、アニメのものと交換する。
そういえば、コイツの下敷きにしたな、とカイト用に買ってきたガリガリくんを思い出す。
が、DVDはもう再生されてしまった。俺はレディーボーデンのフタを開け、そのままスプーンを突き刺した。
めくるめく、静かなるドンの時間が始まる。
終。
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